Episode.22 株式取引が上達するように、「貸借対照表の仕組み」について正しく理解してみた

■結論

 財務諸表の知識があいまいだ、という方のために、貸借対照表について説明していきましょう。

貸借対照表は、企業の有する財産や債務がどれくらいあるかを表したものです。貸借対照表の構成要素を大きく分けると「資産」「負債」「純資産」の3つに分類されます。 

 

 

貸借対照表の仕組みを理解するために

 「資産」は、企業が持っている財産を表します。現金や預金、売掛金(ツケで商品を売って後日回収する販売代金)、たな卸資産(いわゆる在庫)、土地、建物、機械装置といったものはすべて「資産」です。

 「負債」は、企業が将来支払わなければならない債務を表します。借入金や社債、買掛金(ツケで商品を買って後日支払う購入代金)などが「負債」に分類されます。

 「純資産」は資産にも負債にも属さないものです。純資産は「株主資本」とその他の項目(その他の包括利益累計額、非支配株主持分など)に区分されます。

 「株主資本」とは、株主の所有分のことです。株主が企業に出資(投資)したお金である資本金や、企業が過去に稼いだ利益を蓄積したものである利益剰余金などがそれにあたります。

 

 さらに資産は「流動資産」「固定資産」に、負債は「流動負債」「固定負債」に分類されます。

 「流動資産」は現金や預金、売掛金やたな卸資産のように、 1年以内に現金化される見込みである流動性の高い資産のことです。将来お金になりやすい資産とイメージすればよいでしょう。「固定資産」は、土地や建物のように、長期間保有する目的で持っている資産のことです。早期の換金化が見込まれていない資産とイメージしてください。「固定資産」はさらに「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」に区分されますが、それぞれの細かい内容は気にしなくても大丈夫です。

 「流動負債」は買掛金、短期借入金などのように、 1年以内に支払いが必要となる債務です。「固定負債」は支払いが 1年以上先となる債務を表しています。

 資産も負債も「流動」「固定」の順、つまりお金になりやすい(お金が出ていきやすい)順番に並んでいるのが特徴です。これらを頭に入れた上で、貸借対照表を見てみましょう。銘柄選びに貸借対照表を使うのなら、あまり細かい項目は気にせず、大体を理解できていれば大丈夫です。