Episode.24 株式取引が上達するように、「複式簿記という仕組み」について正しく理解してみた

■結論

 貸借対照表の持つ意味決算書は複式簿記という仕組みを用いて作られています。複式簿記とは、企業で生じた金銭的な取引を「仕訳」により記録していく方法です。

この仕訳には「借方」と「貸方」のそれぞれに勘定科目と金額を記載し、これを集計していくと最終的に貸借対照表損益計算書といった決算書ができあがります。

 「借方」「貸方」は簿記の専門用語ですが、この言葉自体に深い意味はありません。仕訳の左側を借方、右側を貸方と呼んでいます。ところで、貸借対照表にズラッと記載されている勘定科目のうち、資産はすべて「借方」に、負債と純資産は「貸方」に集計されます。そして、複式簿記の仕組み上、貸借対照表の「借方」と「貸方」の金額は一致します。

 つまり、必ず「資産 =負債 +純資産」となるのが特徴です。実はこのことから見えてくる貸借対照表の持つ意味があります。それは、借方は企業が運用する財産を表し、貸方はその財産のもとになったお金をどう工面したかを表すというものです。借方の資産は企業が売上をあげ、利益を得るために用いている財産のことですが、その財源は、貸方の負債もしくは純資産によりすべて賄われているのです。