Episode.25 株式取引が上達するように、「株主構成(外国人投資家、投信の持ち株比率」の意味について正しく理解してみた

■結論

  会社四季報に掲載されている株主関連のデータの中では「外国人持ち株比率」と「投信持ち株比率」にも注目です。この2つの比率が高いほど、外国人や投資信託から優良企業として高く評価されていると言えます。

 

■指標の使い方

 そうした外国人や投資信託の持ち株比率が高い企業を選んで買えばよいのかと言えば必ずしもそうとは言えません。外国人や投資信託の持ち株比率がかなり高い場合は、その株を買いたい外国人や投資信託はすでに買ってしまっている可能性があります。そうすると、これ以上外国人や投資信託からの買いはあまり多くは見込めないことになります。

 逆に、そうした株は業績の悪化などなんらかの理由で外国人や投資信託が大量に持ち株を売ってくれば、株価は上がるどころか大きく下がってしまうでしょう。特に外国人投資家は、一度売ると決めたら、株価がいくら下がろうがすべて売り切ることが多く、まさかここまで、というくらい株価が大きく下がってしまうこともありますので気をつけてください。

 

配当利回りの意味を理解するために

 外国人持ち株比率や投信持ち株比率が数%程度の企業もおすすめしております。こうした企業は、外国人や投資信託にようやく評価され始めた段階です。外国人も投資信託もまだ買い始めたばかりですから、ここから彼らのさらなる買いにより株価が大きく上昇する可能性が大いにあります。こうした企業に個人投資家が乗ってみるのも1つの戦略です。また、過去の会社四季報を使うなどして、時系列で外国人持ち株比率や投信持ち株比率の推移をチェックするのも非常に有効です。もし、外国人や投信の持ち株比率が増加傾向にあるものの持ち株比率自体はまだ数%、という場合は、株価がここから大きく上昇する可能性が高いと言えます。逆に、外国人や投信の持ち株比率が減少傾向にあるのなら、今後もしばらくは株価下落圧力が高まることになりますから注意が必要となります。

 

 株価の推移をみると、外国人持ち株比率や投信持ち株比率の増加とともに株価も大きく上昇し、減少すると株価も大きく下落していることがわかります。なお、特に新興市場銘柄(ジャスダックマザーズなど)に多いのですが、外国人持ち株比率も投信持ち株比率もゼロという銘柄も結構あります。こうした銘柄は、外国人や投信が注目していないというより、流動性が低いなどの理由で外国人や投信が投資対象としていないと考えられます。そのような銘柄は個人投資家が売買の中心となりますから、外国人や投信の買いによる株価上昇という面からはあまり期待できません。また、外資系企業の傘下にある企業などは、必然的に外国人の持ち株比率が高くなります。その場合、「外国人持ち株比率」の中に、純粋な投資目的で保有している外国人と支配目的で保有している外資系企業の双方が混ざった状態にあります。ですから、親会社である外資系企業の持ち株は差し引いて実質的な「外国人持ち株比率」を計算するようにしましょう。