Episode.10 株式取引が上達するように、「アノマリー」の意味について正しく理解してみた
■結論
アノマリーとは、株式市場の株価はファンダメンタルズに基づきマーケットの合理的な需給関係によって価格が形成されます。しかし、時として経済的合理性やマーケットの需給だけでは説明だきない価格変動がしばしばみられます。
このような合理的に説明できない株価変動をアノマリーといいます。
■アノマリーを理解するために
月下別のアノマリーは以下の通りです。
【1月効果】
1月効果とは、1月株高、12月株安と言われ、12月は株価が下落し1月は上昇する確率が高いとされる株価アノマリーです。
税金対策としての売りが年末に出る一方で、年明けには新規の投資資金が流入しやすいとされています。また、1月のトレンドの方向性がその年のトレンドなりやすい、大型より小型株の方が上がりやすいとされております。
【節分天井、彼岸底】
節分頃(2月上旬)に高値をつけてから徐々に下げ、彼岸頃(3月中旬)に底をつけるという株価アノマリーです。
1月効果で1月いっぱいから節分頃まで投資資金が流入することにより上昇し、2月上旬の決算で材料が出尽くし、それ以降3月の決算に向けて調整をしていく、3月上旬になると配当や優待狙いの買いが入り再び上昇していきます。
※最近では、海外の外部要因が影響されやすくなったため、このアノマリーどおりの動きをすることは珍しくなりましたが、逆の節分底、彼岸天井になる年もあります。
【4月効果】
4月の新年度に上昇し、鯉のぼりの季節が過ぎたら下降していくという株価アノマリーです。「彼岸底、鯉のぼり天井」と言うこともあります。
新年度では、「節分天井、彼岸底」で整理した資金が再度市場に流入し上昇していき、5月初旬には利益を確定しゴールデンウィークを前後に徐々に調整にむかっていきます。
【GWの値動き】
ゴールデンウィークは4月末の決算発表に加えてしばらく休場となることから、様々な思惑が働き非常に激しい値動きとなることが多いとされる株価アノマリーです。
過熱感が冷えて、ちょうど落ち着いてくるあたりがこのGW出来高減少に引きずられる形で市場は冷めていき、材料の乏しさからGWが天井になりやすいとされています。
【セルインメイ(株は5月に売れ)】
5月は全体的に相場が下げやすいため、株はセルインメイ-Sell in May(5月に売れ)という株価アノマリーです。
5月にヘッジファンドの決算が集中しているため、ポジション調整のためといわれています。また、3月決算企業の納税対策のためなど、諸説あります。
【サマーラリー】
サマーラリーとは7月から9月の夏場にかけ株価が上昇する株価アノマリーです。
特に米国株式があがりやすく、休暇シーズンに入る前に優良株を買いだめしておくため起きる現象と言われています。また、サマーラリーと相対するアノマリーが「夏枯れ相場」です。
【夏枯れ相場】
夏枯れ相場とは、海外では夏季休暇、日本ではお盆休みなどの休暇の為、市場に参加する投資家が激減し、株価の動きが鈍くなり閑散相場となりやすくなる為、そう呼ばれている株価アノマリーです。ちょうど中休みで市場がバテてしまうという感じです。
この時期にはちょっとした材料で上げ下げが激しくなりやすく、リスクが高くなります。そのような相場環境からポジション調整にはしらせ、下げ基調になりやすくなります。
【9月~10月の相場】
9月相場は世界的に最も株価が落ちやすい月と言われており、株価はどん底になりやすくなるという株価アノマリーです。10月に入ると9月相場の地合いをズルズル引きずり弱い展開になりやすく、ブラックマンデーなどの過去の暴落はほとんど10月に集中しています。逆を言えば、絶好の買い場となります。
11月に向け好業績期待の強い銘柄に先回り買いが入るなど、11月の中間決算ラッシュを先取りするような動きが見られます。また、新規公開株の中からも大化けの銘柄も出てくることもあり、じっくり吟味して銘柄選択をしていく相場となります。
【ハロウィン効果】
ハロウィンアノマリーとは、米国で「10月に買い4月に売れ」と格言にされている株価アノマリーです。10月はファンドの決算期にあたり、多くの機関投資家が株を売却するため9月から10月は株値が下落しやすくなる。このタイミングで買いを仕込んで置き4月効果で値が上昇した4月末から5月に売ると利益が出やすいです。
ハロウィンで買いSell in Mayで売るという流れが最も効率的な取引と言われています。
【12月の節税相場】
12月は節税売りの傾向があり、含み損の株式を売却することが多く、株価が下がりやすくなるという株価アノマリーです。こうして、節税売りが一巡すると早ければ年末から1月まで買われ、1月効果としてまた1年のスパンが始まります。
まとめ
アノマリーを基におおよその年間スケジュールを知ったうえで、買うタイミング、売るタイミングを見極めていけば成績も上がるはずです。
事実、相場というのは先ずチャート、次にアノマリーで動いていることが殆どです。そう考えると、アノマリー分析は売買の上で重要な要素の一部になってくるのではないのでしょうか。
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